2015年 こんにちは!店主さん

西宮・甲子園ヒーロー揚げ推進委員会 代表 山崎 哲 さん

ご当地グルメ「甲子園ヒーロー揚げ」で全国を駆け巡る

 甲子園球場の近くにあるやきとり「じゅげむ」。店主である山崎さんはご当地グルメ「甲子園ヒーロー揚げ」を誕生させた知る人ぞ知る店主さん。その陰には幾多の困難がありました。今では西宮、兵庫のご当地グルメの代表として全国を飛び回っているのです。
 山崎さんがやきとり屋を始めたのは、阪神淡路大震災の一ヶ月前。自宅は全壊し、店は大丈夫だったもののライフラインが止まり営業の見通しは立ちませんでした。炭火ならできると言う山崎さんに、共同経営者であった友人たちは反対。結局、一人で炊き出しのボランティアを始め、出会った大学生たちと「炊き出しボランティアネットワーク」を生み出し、必要なモノ・場所・人をつなぐことが、商売の原点だと体得するのです。
 自衛官だったときの友人たちに資金を借り、カウンターだけの小さな店をオープン。復興作業の人たちが並び「炭火焼き鳥」は大賑わい、夜を徹しての頑張りで1年で返済。しかし、復興が進むに従って客は減り、何をやっても空回り。そんなときに入った居酒屋で目にしたのが「ヒーロー」というメニューでした。手羽中二つ割りの唐揚げに、にんにく醤油が添えてあり、その美味しさに感動。「自分の店で出したい」と研究を重ね独自の「甲子園ヒーロー揚げ」を生み出したのです。
 その後、店を二人三脚で頑張っていた奥様が急逝、また社員に店のお金を持ち出され信用を失う劇的な試練が襲います。「自分に真っ直ぐな生き方しかできないので、もくもくと頑張りました。するとどこからか助けてくれる人が現れるのです。再婚した妻の応援もあり、今は幸せです」と目を潤ませます。
 地域の名物にと、いろんな店が独自の「甲子園ヒーロー揚げ」を考案してご当地名物にしようと、甲子園バルも企画。また、全国の百貨店の催事にも積極的に出ていきました。その甲斐あって、兵庫県の代表ご当地グルメとして推薦され、静岡県で開催された「B級グルメスタジアム in エコパ」や「姫路の食博」にも出店。百貨店からの出店依頼も増えています。「留守ばかりですが、社員を育てるのも私の目標、信頼して店を任せます。甲子園ヒーロー揚げも広めてほしい」と、後輩の独立を応援する山崎さんでした。

西宮市甲子園七番町20-16 ℡0798-41-2438
15:00~25:00(LO 24:00) 月曜休